既存基礎補強のホールダウン金物施工方法と役割の考察

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福岡プロジェクトも既存部の解体工事が終わり、
いよいよ既存躯体補強工事へ移行します。
まずは、既存基礎の補強工事。

今回は階段周りをラウンジとして使用するために、
吹抜が欲しいという要望がありました。
既存階段の位置が両側からの床梁に挟まれて、
かつ、その狭さと急勾配がネックとなるため、
新たな位置に鉄骨階段を設けてゆとりの勾配と軽さを創り出すと共に、
2階回廊も含めた吹抜空間を提案しています。

4月からの改正建築基準法では、この階段移動をもって
確認申請案件となるのですが、
計画地は都市計画区域外にあり、3月に着工しているため、
従来型の耐震改修で進めております。

吹抜空間.jpeg

新しい階段位置には補強梁や補強耐力壁を
既存梁と繋ぎならバランスよく配置しています。
今回のフルリノベーションでは、耐震等級3を定めて、
構造計算による補強をおこないますが、
3.7tホールダウン金物が二箇所に必要となってきます。

本来であれば、もう少し分散してホールダウン金物を設けて、
局所の大きな力を避ける方が得策なのですが、
吹抜空間を活かすためには、この補強しかないこと、
既存の基礎と柱にホールダウン金物を設けるため、
新設基礎が効果的に寄与する隅部柱型にしています。

ホールダウン金物配筋検査.jpeg

既存基礎と隅柱にホールダウン金物を設置することはできないので、
新たな柱を横に添えてコウチボルトで緊結して、
その添え柱にホールダウン金物を設置して、
その部分に既存基礎とD13差筋と柱型配筋を結びながら、
設置することにしたのですが、
3.7tの引き抜き力に対抗するためには、
1.6tのコンクリート塊が必要ですが、これは物理的な話なので、
既存の基礎、今回は鉄筋コンクリート基礎でしたので、
そこに力を伝えて、既存基礎と共にこの新たな引き抜き力に
対抗しようという考えてなっています。

ただ、ホールダウン金物の設置位置がきまってしまうので、
その周囲の柱型配筋との定着を取ることが難しい中、
できる限りのかぶり厚さを確保するようにしています。

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