築150年古民家の住まい改修4躯体の構造補強ポイント1
築150年以上前の古民家の躯体補強については、
まず床下の土が湿気ているか、乾燥しているかは重要です。
湿気があれば、土台全体の腐食が疑われますが、
今回は床下を点検してもサラサラの乾燥した状態であり、
ほぼ全体を目視して確認できました。
それでも、水回りの部分は腐食部がありましたので、
その部分に関しては土台交換をおこないつつ補強をしています。
足固めの土台と大引きは150角前後あるため、
されをそのまま活用しつつ、
火打ち梁と新規の束石と束で補強をおこないます。
壁倍率4.0両筋交いの補強を前提として
全体のバランスを考えながら配置をおこない、
構造事務所によるバランスチェックをおこなっています。
築150年古民家の住まい改修3手書きプレゼンと広縁の断熱改修
https://atelier-m-architects.seesaa.net/article/505362455.html
前回のプレゼンから実施設計では玄関周りに大きな変更があります。
躯体の既存梁の状況が明らかになるにつれて、
補強柱と壁が必要となる位置が分かったためですが、
これにより、玄関周りの式台とシューズインクロークを
すっきりと納めることができました。
今回必要となる既存梁と胴差桁の補強ですが、
以前におこなっているリフォームによって、
重要な梁の位置関係を不安定な状態でおこなって起きていいます。
つまり、室内と構造が上手く整合性がとれないので、
室内構成を優先したという本末転倒なリフォームに寄っています。
そのため重要な既存松梁170×360と150×300を
玄関式台の耐力壁4.0の上部の米松集成材140×270により
あらためて下支えをおこなっています。
また外壁と小黒柱240×260と大黒柱280×280のラインの
床梁と胴差桁の補強は特に大変で、
双方の梁位置が上下にずれている関係で、
米松集成材120×300の補強梁を上下に分けて入れる必要がありました。
下に入れられる補強梁は理に適っていますが、
上に入れる場合は、下になる既存梁と一体化しなければならないので、
この部分については上下をボルトで固定すると同時に、
側面を構造用合板で上下に覆い釘打ちすることで、
一体となるように工夫しました。
これを図面上で伝えることは難しいですが、
BIMですと、小屋床伏図と共に、床組の状況と
色分けした補強梁の3Dを併用することで伝えやすくなります。
またこれらは、最終的には熟練の大工さんコンビの方と
図面を元にして現場で色々とお話をしながら、工夫しましたが、
やはり大工さんの工夫の力が非常に大きかったです。
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