旧宅棟門の再生・緑青銅板と桧架構材を受け継ぐ

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旧宅の玄関前を見守っていた棟門が
三年ぶりに新しいデザインの中に蘇り帰ってきました。

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このお住まいを訪れるたびに、竪格子の引き違い戸を開けて
水を打った飛び石を踏んで玄関へ。
そんな豊かな佇まいのアプローチを
新しい住まいでも継承したいと思い、
温故知新のデザインを考えました。

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木造の掻き落としの壁は、
鉄筋コンクリート造の塗り壁へ、
木造架構が現しの銅板屋根は、
躯体はできるだけ軽く薄く見せるために
躯体の中に打ち込んだスチール角パイプと
それに溶接したリブ付きプレートで屋根の躯体を形成。

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構造事務所に構造チェックをお願いして、
1800L×3200Lの屋根の風圧を考えて、
D13ダブル@100の配筋と重量級で、
屋根の大きさで厚300mmの耐圧盤と
厚300mm袖壁が、この躯体を支えていますが、
その全体はほぼ隠れているので、見た目は軽快。

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そこに上下から静岡県産杉材Jパネルを挟み込んで
木造下地を作り、下端には、旧棟門の架構材である
桧の桁・平板・化粧垂木・木小舞を一旦解体して、
洗いと削り直して今度は水平に組み合わせ、
屋根は木造下地を作り、緑青銅板を再生して葺き直す。

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二年前の解体工事で屋根毎保管してもらいましたが、
保管場所も二度移動しており、
相当に重いものですので、皆さんにご苦労をお掛けしました。

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緑青銅板を一つ一つ番付をしてから外していきましたが、
元屋根が変形の寄棟でしたし、
新しい棟門の屋根は一回り大きいため、
打ち合わせの結果、寄棟の奥行き部分と軒先には、
真新しい銅板を追加して葺き上げましたが、
新旧の銅板の組み合わせが面白い表情を出しています。

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樋は、タニタハウジングウェアさんの
スタンダード半丸の銅製を内吊りで、
そして趣のあるくさり樋を採用しました。

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途中で外受けの樋金具が付いていたので、
工事をストップして、内吊りを取り直してもらいましたが、
打ち合わせしておりましたが、
もう頭が外受けでの刷り込み。
いや内吊りは無いでしょう・・・から、
すみません、ありました。。。という展開でした。

私は内吊りしか使用しませんが、
外受け金具の枠が出ないと、本当に樋は綺麗に見えます。

こうして、解体撤去から2年振りに
棟門が新しい住まいに再生されました。

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棟門屋根、ガレージ屋根、母屋屋根が交差する部分は、
調整に苦労しただけあって、複雑な表情ながら、
それぞれの屋根が重なり合って、
その間に顔を出すアオダモ株立ちと
手前のヤマモミジ株立ちの緑が
玄関ポーチを覆いながら、
さらに良い雰囲気を創り出してくれるはずです。

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