ツヒノスミカ/山本起也監督作品
静岡市出身の山本起也監督作品・ツヒノスミカが
2008年第4回国際ドキュメンタリー映画祭・PUNTO DE VISTA
(プント・デ・ビスタ)最優秀監督賞(ジャン・ビゴ賞)受賞を
記念した凱旋上映会へ行ってきました。
http://www2.odn.ne.jp/ise-film/works/tsuhinosumika/tsuhino.htm
場所は、駿府公園にある市民文化会館中ホール。
2006年、16ミリフィルム、上映時間80分。
上映に先立って、山本監督自身による舞台挨拶があり、
受賞までのいきさつと、審査当日の風景をまとめた
ビデオも上映されました。
これまで、自主上映を2回開催されたとのことですが、
今回の受賞を記念しての3回目は、
静岡市、静岡市文化振興財団、
NPOしずおかコンテンツバレー推進コンソーシアが主催。
受賞前は、静岡市関係者に掛け合っても
相手にされなかったそうですが、
この受賞を機に、色々な動きがあった自分でも驚いています
というお話しがありました。
フランス他での上映の話もあるとのこと。
まさに、世界で認められての逆輸入。
日本の見る目は・・・・といいたくなりますね。
監督自身の祖母(90歳)が一人暮らしをする市内の住まい。
老朽化と同居により取り壊すことになった、
そのひと夏の姿を追ったドキュメンタリー映画です。
静岡市の呉服町通りやデパ地下、そして山あいの生家、
安倍川花火、全編にわたり、見覚えのある
静岡市周辺の風景がさまざまに切り取られています。
長年住み慣れた家中に山積みとなったガラクタの数々。
しかしそれは、おばあちゃんの思い出が詰まっている
何物にも代え難い品々。
息子さんとそれらを片付けるシーンは、
思わず、会場の笑いを誘います。
息子:これ、いらないよね。
母:それを捨てられちゃ困る。死んでも捨てられない。
面白いのは、息子さんがいらないと思ったものは、いる。
しかも、それを冷蔵庫にしまっちゃう。
逆に、ご主人の形見のおちょこ。
息子さんが、これはとっとこうねと言うと、
それは、いらない(汗)
木の鍋ぶたは、息子さんが取っておこうねと言うと、
いや、それはいらない。
じゃ、ぼくが記念にもらっておく、と息子さん。
そうした自然のやり取りの整理風景。
デパ地下の食品売り場での若い店員さんとのやり取り、
パートのおばさんが、おばあちゃんの姿が
見えなかった日は心配していたと言うシーンでは、
ここが、おばあちゃんの生活圏なんだと実感。
取り壊す家の生け垣は、生家の傍の公園へ移植。
シャベルを持って掘るのを手伝ったり、
障子を一人で運んだり、
お店では、階段をトントントンと上がったり・・・・、
とても90歳とは見えない身のこなしに驚かされます。
やがて、住み慣れた住まいは
解体重機によって取り壊されていく・・・・・。
我々の仕事でも、よく出会う解体シーン。
そこに、住んでいた人の思いを断ち切らないように、
次の住まいへ受け継いでいくには・・・、
そんな原点を考えられずにはいられない
大変印象深い、いい映画に出会えました。
この山本起也監督の初作品・ジム。
小さなのジムのごく普通の無名の若者達が
黙々と練習に打ち込み、試合で負け
自分と向きあう姿を6年間追ったドキュメンタリー映画。
これも、少しだけ紹介されました。
今回の上映会は、6/20(金)午前・昼・夜の3回のみでしたが、
静岡での上映機会がもっと増えればと思います。
主人公の祖母・山本マツさんは、現在93歳!!
静岡市呉服町通りのアクセサリー店「千草」で
お元気で働かれております。
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・・・どうも、ありがとうございまいした。
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