清水銀座・あさひやの古材リフォーム。

清水駅前からアーケードのある駅前商店街を
抜けて線路を渡りますと、
旧東海道沿いの清水銀座商店街へと続きます。
その中程に位置しますのが、甘味屋・あさひやさん。
ここが、私とテレビ界を出会わせてくれた、
大改造!!劇的ビフォーアフターとの最初の舞台でした。

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築100年・・・といいましても、古民家ではありません。
木造平屋建から、2階増築、木造を経て鉄骨造へ移行した店舗、
中庭上部へ増築された2階・・・。
つまり、時代と共に、家族の変化やお店の状況に応じて
増改築が繰り返されてきたわけです。
このため、地元でも有名な甘味屋さんだったのですが、
何とも言えない店構え(失礼)・・・でした。

この商店街の特殊なところは、通常ではあり得ない
道路部分へのオーバーハング(跳ね出し)が、特徴的。
道路上部の建築物は、一般には許可されておりません。
ここは、アーケード部分を元々のそれぞれの民間地から
提供して創り出し、その後歩道化(つまり、道路の一部)
したことが原因・・・らしいのです。
行政レベルでも、許認可において大いに混乱しました。

甘味屋として、老舗として、再生させるべく講じた手段は、
古民家の古材を再利用すること。
店舗部分の鉄骨造にはインテリアとして、
住宅部分には、補強材として、その存在感を持っています。
また、その古材はすべて柿渋と呼ばれる、
まさに柿の渋皮から抽出した自然の茶色で染め上げております。

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店内のペンダントは、漁港・清水を想起させるため、
魚網用のガラス製の浮きを加工して照明器具に。
入り口のシャッターが下ろされたときにも店舗の1/3は、
そのままアーケード側に表出させて、
照明、丸窓と塗壁、ベンチで、甘味屋の表情が
隠れないようにしております。
そして、入り口脇のディスプレイは、
解体したこの家の構造材を再利用。

このわずか2間・3.6mの間口。
間口3.6m×奥行21mこのうなぎの寝床といわれる町家形式は、
江戸時代、公役と呼ばれる一種の税金が、
建物の間口に応じて科せられたため、
これに対抗する節税対策として生まれた、まさに庶民の智恵。

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こうした町家には、必ず奥の間に中庭があって、
そこから、光と通風を取り込めるようになっています。
ここも、古材により補強をおこないながら
各室に明るさを取り戻せたのも、
昔から考えられていた智恵に
私が、ちょっと力を貸しただけ。
まさに、温故知新ですね。

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 ・・・どうも、ありがとうございまいした。

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