風致地区と建築協定を考える。
街を歩いて・・・、いや車で廻っておりますと
ある地域に入ったとたんに緑が豊富で、
建物周囲の庭部分が多くなっている場所があります。
日本平のすそ野や山間の地域に多いのですが、
こういったところは、風致地区と呼ばれる緑化推進地区。
建坪率/容積率が、第一種では20/40%、第二種では、40/60%。
まず、第一種では相当に土地が広くないと家は建ちませんが、
第二種の地域の方は割合とあります。
つまり、敷地の内6割は空地としなければならない。
この空地が、庭となり、緑化する空間となるのです。
現在実施設計終盤の住まいもこの地域。
廻りに、緑が豊富と言いたいところですが・・・、
えっ、これで基準を満たしているの?という状況。
検査は受けているはずですが・・・。
よく見ると、高さだけを満たしたようなヒョロヒョロの高木。
風致地区よりも、その地区の住民が主体となって作成し、
自治体が承認する建築協定地域の方が
見事に景観が保たれている場合が多いのは、
やはり、住民意識の差でしょうか。
どちらの規制地域でも、設計した経験がありますが、
この建築協定も、なかなか難しい状況にあります。
といいますのは、道路側に接する部分を生け垣とする
というのが主たる目的なのですが、当然のことながら、駐車場は除外。
ところが、平均100坪以上の敷地であっても、
2~3台の駐車場が並びますと、
肝心の生け垣とするべき道路側部分がほとんど残らないという状況が生まれます。
さて、話を現在進めている風致地区内の住まいに戻しますが、
平成16年度からは、緑化率(緑化面積/敷地面積)30%の計算が義務づけ。
高木3.5m/1本+低木1m/2本で、10m2というカウント。
今回のお宅は、道路から敷地周囲が1.5m~2m上がっているので、
既存の擁壁上部からアイビーなどの地被類を垂らして、
道路側に緑を提供しようと思っているのですが、
この緑、まったくカウントされません・・・・???
通り一遍の植栽ではなく、緑の立面という感覚、つまり
・0.0m・・・グランドカバー
・1.5m・・・人の目線レベル
・5.0m・・・2階からの目線レベル
といった、人の視線を意識した判定にならないものでしょうか?
1.5m以上高い敷地の上に、いくら植栽をしても
見えるのは、擁壁ばかり・・・。
そこを緑で覆えれば、景観にとって素晴らしいものになるでしょう。
植えれば良いというだけでは、決して良い環境とならないのは明らかです。
カウントされない緑、しかしコストはかかってしまう・・・、
今回の建て主Mさん、住環境に対する認識が深いので助かります。
アースとの散歩コースの公園の桜、
目線より低く枝を垂らした花を見ながら、
ふと、考えてしまった次第。
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・・・どうも、ありがとうございまいした。
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